武道・武術の観点からSEI☆ZAを考える/勝田兼充

2017.08.18

テーマ『旗揚げ第三戦を終えて見えた“SEI☆ZAとは?”』


文◎宮本武蔵継承二天一流東京支部長/拡張兵法交陣們 勝田兼充


其の壱
蓮華VS華蓮。一見似たような対戦者同士であったが、漢字の前後配置の違い宜しく、その体格差も経験差も浮き彫りになった試合であった。試合の感想も13歳にこのような事をさせて良かったのか疑問を感じずには居れなかったが、其の事は他の筆者にお任せするとして、今回は技術的な面で展開していこうと思う。

先ず最も気になったのは、武術的観点からみて、蓮華選手の袖の長さである。「また袖か!?」と思われるかもしれないが、実戦においての袖の有用性はとても大きい。毎回SEI☆ZAの試合を見て思うのは、誰一人として袖を最大限に利用できている選手がいないという部分である。これは本当に残念。

話を蓮華選手の袖に戻そう。蓮華選手の袖は、明らかに他の選手よりも余りまくっていた。袖は長ければ長いほど不利であるのは当たり前の話であるが、何故試合前にちゃんと袖を詰めてやれなかったのか? 余りにもかわいそうだ。幸いにも相手選手は蓮華選手の袖を絡めて攻撃してこなかったから良かったが、この反省は次回に必ず役立てて頂きたい。

次に気になったのは体格差と経験差である。もうこれはリンチのようなものだ。突然の助っ人交代という話だったと思うが、興行を行っている以上はプロの試合である。少し酷な話かも知れないが、プロの土俵でプロの選手で然も体格も体重も大きい選手にとってみれば、プロの経験も無く体格も体重も小さい選手が出て来れば当然「なんの冗談だ!?」と思うのは当然で、正直、良く華蓮選手は気も悪くせず戦ってくれたなと思う。結果は言わずもがな蓮華選手の敗退である。


其の弐
刀の取り扱いについて。
本興行は皆さん御存知の通り武道エンタテインメントを掲げている。日本武道黎明期として、武士の文化が大きく影響したのは言わずもがなであり、武士といえば刀である。何故刀にこだわり、此れを神聖視するかといえば、武士はかつてモノノフと呼ばれていたことに由来する。モノノフとは何か? 物乃夫である。つまりは貴重な素材(主に金属)を用いて、様々な素材を組み合わせ、道具を生み出してきたプロフェッショナルという意味である。貴重な素材を使用するわけだから当然粗末には扱えぬ。そういう精神が刀の取り扱い方に宿るのも想像に難しく無いだろう。

ここで思い出して頂きたい。本興行においての刀の取り扱いは丁寧であっただろうか? 答えは「否」である。Team Dateの納刀の仕方は余りにも粗末であった。あれでは納刀の度に鞘とハバキが傷んでしまう。酷いことにTeam Dateの影響を受けてか、タバタ選手もノリで行ったパフォーマンスで納刀を「カチャン!」とさせてしまった。本興行は殺陣のステージでは無く、仮にも武道を名乗っているわけだから、せめてちゃんとしたレクチャーを受けてから使用して頂きたいものだ。

其の参
関節技の判定について。
簡単にいうと本興行の関節技の判定の取り方は武道じゃ無い。勿論武術であれば「バキッ!」と躊躇無しに折ってやれば良いが、武道では其れはあり得ない。武道はあくまで成長を目的とするものだからだ。だから対戦相手は相手の骨を折ることが出来る状況であっても『手加減の匙具合』を考えなければいけない。そう、武道での試合は元々お互いの自己申告制がローカルルールとしてあり、これは驚くべきことに、戦国末期には既にそういう習慣があったそうだ。此れを『一撃の約』という。

じゃぁグラップリングの試合においても『手加減の匙具合』が全く無いかというとそういう訳では無い。関節技をかけ慣れている選手であればあるほど、実はこの部分に関してはシビアだ。其れに大会によっては相手の筋を意図的に断絶させたり、骨を折ってしまった場合、反則負けになってしまうことだってあるからだ。

では何故匙具合が難しいかというと、実は個人の身体的機能は平等では無いことに起因する。其れは『経絡不通』と呼ばれている人達の存在だ。まぁ私もそんな人達の部類に入る訳だが、其れはどういうものかというと、経絡の痛覚信号を伝達する信号が人より伝達されにくい。恐らく伝達されにくい為に筋のブレーキがなかなかかからず、関節の可動範囲が敏感な人と比べて凡そ3倍以上ある。これは良い面もあり、悪い面もある。良い面として言えば、戦場の様な生死を分ける様な現場では『経絡不通』の方が当然無理が効くから重宝される。悪い面で言えば、限界値を越えれば破壊必死である事である。

つまり何が言いたいかというと、グラップリングに慣れている選手であれば当然この辺りは留意しているし、かけられた選手も経験者なら、体が壊れる前にタップアウトするのは礼儀として身につけている訳だが、今回の様に明らかにグラップリングのローカルルールがわかっていない選手が出場する場合、プロデュースする側は、そういう人がいるという事をしっかりと認識し、惨事が起きない様にしっかりと審判にオーダーするべきであるという事である。仮にも武道を名乗るならば今後この部分はしっかりと修正して頂きたい。選手が壊れては成長も何も無いのである。

以上、今回はかなり辛辣な批判文となってしまったが、本心としては今後とも是非頑張って頂きたいと思っている。


【7.28 SEI☆ZAレポート】タバタが奮闘するも4-3でTeam DATEが勝利!

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